夏のささやかなシアワセ

 

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 山暮らしならではの「特権」だろう。

 時にテクテク歩き、時にえっちらおっちら登り下り、昼だったり、夜だって。

 車や電車に乗らずに済むから、気ラクに山に出かけられる。

 

 お馴染みの散歩コースとなった Les Fees(レフェー )は

 のんびり歩いて往復2時間半くらい。

 平坦で高低差があまりない歩きやすい道だ。

 特に、夜が明るい夏ならではの、夕闇散歩が気持ち良い。


 早めの夕飯を済ませ、まだ日の明るい19時に出発し

 友人と、たわいないおしゃべりをしながら歩く。

 昼間のキツイ日差しとはうってかわって爽やか。

 

 目的地は山小屋レストラン、たどり着く頃には日が傾き、店も閉まっている。

 岩の上に腰かけ、持参のお茶とクッキーをつまみながら

 アルプスの山並みが赤く染まるのを待つ。

 BGMは、風にのって聞こえる低音のカウベルの響きと、虫の音。

 
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 あぁ、癒し効果抜群、シアワセ…。

 

 最近ハマっているのが、温かい「ほうじ茶ラテ」

 鍋にミルクとティーバッグを放りこんで温めるだけ。

 これが、日が暮れて少し肌寒い体に、ふわっと優しくちょうど良い。

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 山岳地ならではの、短い夏の夜のささやかな楽しみ方。

 帰りは真っ暗なので、懐中電灯は必携。

 万一、牛のフンを踏んでも仕方ないね。



 ほどよく疲れて帰って、シャワーで汗を流して、ほっと心地よい眠りにつく。




2020年6月23日 (火)

家庭菜園デビュー

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 断腸の思いで、夏の日本帰国をあきらめた。 



 せめて何か楽しい事をしようと、野菜作りを始めた。

 ご近所に立派な家庭菜園をつくっている師匠がいて

 彼女から貴重な日本のカボチャの苗を分けてもらった。

 目指せ!秋のほくほく
カボチャ収穫。



 張り切って土を耕そう!

 なんて…思ったほど甘くはなかった。

 長い間、雑草が生え放題だったせいで太い根がギッチリ張り巡らされ

 しょっぱなから心が折れそうになった。



 クワで雑草を堀り起こし(手にマメが出来るなんて何十年ぶり…)

 手で草を取り除き、
クワで土を細かく柔らかくする。

 この作業を何日も続けた結果…

 目を閉じると、瞼の裏にミミズが映し出されるようになった。

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 クワを持てば、なかなかの農夫スタイルだ。悪くない。

 ただ、どこもかしこも覆っているから、何しろ暑い。

 おかげで、たっぷり汗をかく。

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 耕しライフ4日目、遠くから誰かの声が聞こえた。

 振り返ると、同じアパートの住人、パトリックだ。

 「これ、あげるよ。」手渡されたのはシソと枝豆の種。

 「4年前にダイソーで買った種だから、育つかわからないけどね。」

 彼は4年前の夏、家族で日本縦断旅行をした。

 シソ天ぷらが好物で、毎年ベランダで育てたシソを分けてくれる。

 「収穫できたら、分けてね。」もちろんですとも!

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 嬉しい!シソ欲しかったの。

 確かに4年前とは、チョイ古い…育つかはわからないけれど

 その気持ちが嬉しいなあ。



 耕した畑に、無事カボチャの苗を植え終えた。

 今、うちで育成中のベジちゃん達

 カボチャ、ミニトマト、レタス、シソ、枝豆、バジル、の全6種。


 いつの日か、収穫を夢見て…


2020年5月26日 (火)

庭仕事

 
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 きんぽうげ、ミヤコグサ、たんぽぽ、ムラサキツメクサ、忘れな草、カラスノエンドウ… 庭の野草 




 我が家はアパート住まいながら庭がある、けれども

 でっかいナメクジが出るのを言い訳に全く有効活用しておらず

 ただただ、野草が伸び放題。



 そうは言いつつ、スイスは庭の草刈りが義務付けられているので

 春~夏場は、定期的に刈らなければならない。

 今の時期はタンポポが綿毛になる前に刈らないと厄介だ。



 普段草刈りは夫担当だが、
在宅勤務で忙しい彼に変わり私がやる事にした。



 それにしても…重い草刈り機を押す作業は、想像以上に”腕力”が必要だった。

 レバーを握れば自動的に進むはずが、草丈が高かったりすると操るのも難しい。

 可愛い野草だろうと愛でる気持ちは消え失せ、無心で刈り込むのみ。

 

 ボーボーの野原に草刈り機が通ったところで、一筋の道が出来た。

 とたんに、一羽のカラスが下りてきて、夢中で地面をつついている。

 虫でも探しているのだろう。

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 私が近づいても結構図太く逃げもしない。

 草刈り機で轢きそうになるくらいの距離で、ようやく重たげに飛び立つ。

 

 2本目の筋ができたら、また下りてきてツンツン。

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 そんなやりとりを繰り返し、平面がだいぶ広がった頃

 振り返れば、今度は2羽でツンツンしているではないの。

 …パートナー呼んだのかい?

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 しばらくすると、今度は黒猫の登場、よく庭に遊びに来る子だ。

 「お久しぶり。」



 見渡しが良くなった庭にたたずみ、吹き渡る風にあたっていると

 汗ばんだ肌が、涼やかに乾いていくのが心地よい。



 ああ、冷たいビールが飲みたくなった。



 

2020年5月 8日 (金)

春が、はじける

 

 慣れないダンス・ゲームを続けた結果、足首を痛めた。

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 ソファに座ったまま上半身だけ踊ってみたりもしたが、長くは続かず

 私のダンスタイムは、あっけなく幕が下ろされた。

 

 

 いよいよ運動不足になり始めた頃

 友達から "2mの距離を取って歩こう" と、散歩のお誘いをもらった。

 私は尻尾を(あったらとしたら)ブンブン振って大喜び。

 

 

 3月からの厳しい規制は、5月に入り段階的に緩和されてきている。

 散歩や買い物に出る人の数もだいぶ増えてきた。

 

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 買い物以外の外出も、家族以外の誰かと話すのも、1か月ぶり。

 お馴染みのコースをのんびり歩いて、往復3時間半ほど。

 

 

 自然界は、春の生命力がはじけまくっていた。

 はるか向こうまで咲き誇るタンポポ。

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  (もう、
水彩で景色描くの難しい~~~ )

 小川は雪解けの増水で轟音を立てて流れ

 野の花たちは、その可憐な姿を誰に見せびらかすでもなく

 静かに空を仰いでいる。

 私はスイスの四季で、春が一番好きだ。(日本は夏!)



 道端で、やや緊張気味のカエル君に遭遇。

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 森のベンチでピクニック・ランチを楽しむ家族。

 一人散歩をする人、絶壁をよじ登る人。

 制限された生活の中で、春を満喫している。

 

 牧草地では、牛を囲うための紐を張る準備が進んでいた。

 確かに、はるか下方には茶色く点在する何かが動いているのが見えた。

 牛たちがレザンに登って来るのも間もなくだ。

 

 

2020年4月12日 (日)

昨日と同じ今日の暮らし、スイスより

 

 厳しい外出制限が出てから、4週間が過ぎ

 だいぶこの引き込もり生活にも慣れてきた。

 単調な毎日、昨日と概ね同じ今日を過ごし、明日へ続く。



 ヒマに飽かして絵を描いてみた。

 

 

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 最近では、入場制限もなく番号札もなくなった。

 

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 最初の頃は、スーパー店内にピリピリとした緊張感が漂っていた。

 宣言直後はスッカラカンだった棚も、今はほぼ問題ない。

 

 

 うららかな陽気とは対照的に、ひと気のなくなった村は不気味。

 今も外に出るのは、買い物とゴミ出しくらい。あと、お散歩。

 

 

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 一方で、外とは逆にアパート内には、様々な音が賑やかに響いている。

 子供の走り回る足音、ピアノを弾く音、よくわからないモーター音。

 誰もがこの閉塞感いっぱいの状況の中、懸命に暮らしている。

 

 

 もて余す時間をどう過ごすかは、それぞれ。

 

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 スイスの感染者数も死亡者数もいまだ増えている。

 私の住む州は、ダントツで感染者数ワースト1だし

 まだまだ出口が見えない。

 

 でも、その日は必ず来る!

 

 

 

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